出版社の業界団体「版元ドットコム」で、リレーエッセイを書きました。
会員向けのメルマガコンテンツですが、noteにも掲載されたもの紹介します。
参考:「かぞく出版社という暮らし方」(版元ドットコムnote)
以下、noteからの転載です。
「近くの海までお願いします」
東京で会社員をしていたとき、酒に飲まれてタクシーに乗るとなぜかそう放言する癖があり、お台場にある自由の女神像の近くで目覚めたことがあった。たしか2013年の夏。
会社をやめ、深酒もやめ、サーファーでもないのに縁もゆかりもない千葉県外房の海沿いにあるサーフタウンに、なんとなく移住したのが2021年の夏。
40歳になって早々ヘルニアを患い、通院中の整骨院で「砂浜を散歩すると筋肉つきますよ」と勧められて以来、晴れた休日には息子と海遊びを嗜んでいる2026年の初夏。
「風景を書くことが自分の文体をみつける一助になる」と、ある小説家が話していたのが印象に残り、『海の文体練習』と勝手にタイトルをつけて、毎日ちがう表情を見せる海を描写し始めたのが、つい先週くらいのこと。
あっ、すみません。
ここ最近、すっかり海づいていたので海の話ばかり。 申し遅れました、「庭ブックス」の銭谷侑です。海ブックスではなく、庭ブックス。 妻(アートディレクター)と、息子(3歳)と、わたし(コピーライター)が庭の小屋で始めた、ひとり出版社ならぬ「かぞく出版社」です。
昨年『ことばの育休』という本を出したばかりの、風がふけばフワフワ飛んでいくような小さな版元ですが、かぞくで出版社やるのいいなぁとしみじみ感じることがあります。
・日常を面白がってみつめるようになる
→子育ても、海遊びも、まるごと種に
・本をつくることは人生に節目をつくること
→人生に句読点を打ち、次の問いへ
・全国に足を運びたい本屋さんが増える
→仕入れてくださった本屋さんありがとう
などなど。でも出版社を始めてみて、あえて歯がゆいことを挙げるなら、日々の子育てとコピーライターとしての仕事にかまけて、庭ブックスの活動が十分にできていないこと。
40歳になり、だんだんと無理ができない身体になってきたのを逆手にとって、グググっと仕事の数は絞り、庭ブックスの活動を腰を据えてやっていきますぞ!これは想いではなく、宣言です。
ああー、そういえば、初めて付き合った女性の名前も海だった(ひと夏越える前に、すぐ振られたけれど)。
改めて、海ブックスではなく、庭ブックスです。小屋があるので、よく本屋さんと勘違いされますが、出版社です。外房の庭から、土から生まれるようなことばを届けていきます。どうぞお見知りおきを!
©︎kengai-copywriter 銭谷 侑 / Yu Zeniya
